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落書きとか小咄を撒き散らして行きマス
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やっていいものか迷ったあげく
此処に書き捨てる事にしたまた高を一本(でも高杉居ないよ…!!)





晋助様は男で アタシは女。
それだけでいい と思う事も 本当は時々ある。







篝火と 蛾







夜が深まる事に一段と際立つ 違い。
町には綺麗な色をした着物やかんざしで己を飾った女がたくさんいて、
彩り鮮やかにそこらじゅうを闊歩している。
一方アタシはと言えば、明かりも点けずにただジッと暗がりに潜んでいて、
そう言えば紅だって ただの一度も差した事がない。


「宵闇の蝶とは いいものでござるな。」
「…嫌味ッスか。」
「いやいや。 …なりたければ、いつでもなれるでござろう。」
「…あんな物。」


そう。 あんな物。
っと必要じゃない。 ただ邪魔なだけ。

まったく運命とは皮肉なもので、
蝶であれば 万が一にも愛されたかも知れないのに
蛾だからこそ必要とされ 傍に置かれた今がある。

それに、 アタシは知っている。
深く追求しなくても 確信に近い思いがある。

今さら蝶に化けてみた所で
きっと必要になんか されやしない。



「…邪魔なだけッスよ あんな物。」

アタシに必要なのは
…晋助様にとって 必要な”アタシ”は これだけだ。

くるくると愛用の銃を回し
赤や黄色が映る その鈍色をしばらく見つめていた。



「…気を抜くと その薄羽、焦げ堕ちてしまうぞ。」

飛んで火に入る 何とやら。

「…望。」

ならば 薄羽も いっその事身体ごと

「本望ッスよ。」

焼け焦げ 墜ちるその終わりの一瞬まで、
あたしは蛾であり続けたい。







END*
 
 
 
 
 
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